以前乗っていたブルターレ800ドラッグスターRRは2015年モデルだったので、ちょうどダウンシフトが追加された年のモデルだった。広島から埼玉まで約800キロの旅を行ったが腱鞘炎にならずに済み、とても感動した思い出(その後ドラッグスターRRは盗難されたけど)
しかしF3は2年遅れの2017年モデルからやっとダウンシフトが追加された。そして私のF3は2014年モデルなのでクイックシフターはアップシフトのみの対応となっている。意外とツーリングでも使うのでダウンシフトが欲しかったのと、サーキット走行でオートブリッパーがあると便利だと思い、せっかくだからECU書き換えとオートブリッパーセンサーを導入することでダウンシフト+オートブリッパーを追加してみようと思った。
ネットで調べてみると何年か前にF3-675にオートブリッパーを追加された方がいらっしゃるが、詳細を記載していない感じだったので自分用のメモとして残そうと考えた次第。
今回使用したアイテム
- ECU Studio
- オートブリッパーセンサー(普通の双方向シフトセンサー)
作業手順
①メインハーネスへの加工
2017年モデル以前のF3はシフトセンサーが2ピン(電源とアップ信号と思われる)なので、オートブリッパーセンサーを追加する際にはメインハーネスに手を加える必要がある。
幸いハーネス側のカプラは3ピンなので、適当な5V電源をどこからかシフトセンサーのカプラへバイパスしてやればよい。
私は転倒センサーから5Vを分岐させた。
適当な場所から分岐させた5V電源の配線をシフトセンサーのカプラへバイパスする。
私はエレクトロタップを使ったが、見た目を気にする人はスプライス端子でも使うとよいと思う。
ちなみにこの作業、ハーネス経路を気にしなければ別にタンクを外さなくてもよいが、シフトセンサーのカプラにアクセスしにくいので可能であればタンクを外すと楽に作業ができる。
②オートブリッパーセンサーの取り付け
純正のシフトセンサーを取り外し。
用意したオートブリッパーセンサーへと交換。
これに関してはもちろんボルトオン。
オートブリッパーセンサー(左)と純正(右)を比較すると、2ピンと3ピンの違い他、サイズも異なる。
その為、交換後はステップ位置を調整する必要がある。
③ECUの書き換え
車両とECU Studioを接続し、シフト操作を行いシフトセンサーから出力される電圧を確認する。
おそらく以下の値に近い値になっているはず。
- アップ時:3.5V
- 待機時:2.6V
- ダウン時:1.6V
ROM編集でブリッパーの項目について先程確認したシフト操作した時の電圧を参考に、それぞれ動作のキーとなる電圧を入力。私は以下のように入力した。
- アップ:3.0V
- 待機:2.6V
- ダウン:2.0V
最後に編集したROMをECUに書き込めば、無事ダウンシフト+オートブリッパーの追加が完了。これで思う存分オートブリッパーを楽しめる。
自分でブリッピングをするとあからさまにブリッピングしてますよ、みたいにバォン!と音が鳴ってしまうが、オートブリッパーなら控えめに、しかしバックトルクが感じなくなる程滑らかにブリッピングをしてくれる。
こぼれ話
ECUの中身を見てみると、F3も2015年モデルからダウンシフトに対応しているっぽかった。
しかしシフトセンサーがアップのみ対応なのでダウンは使用できない。
そこで今回私が行ったようにメインハーネスの加工とEAS2.0のシフトセンサーが手に入れば、2015年モデルの人もダウンシフトが使えるようになるんじゃないかな?と考えている。
(2021.09.19追記)
2015年モデルからEAS2.0でした…ダウンを有効化するにはECUの書き換えは必須の模様。
因みにアグスタの3気筒シリーズなら例外なく適用出来そうなのと、2013年以降のモデルチェンジしたF4/R/RRでも適用可能。F4/R/RRに至ってはセンサーを変更しないでも一応オートブリッパーが追加可能。センサーの信頼性が残念なレベルだけど。
F4へのオートブリッパー導入は以下リンク
MVアグスタ F4シリーズにオートブリッパー導入 – FiloRosso (filo-rosso.net)
※注意※
せっかく書き換えたECUをTEXAで純正に書き戻すとECUの情報が変わってしまう為、再度ECU Studioで書き換えるには新たにライセンスが必要となります。
7 comments
こんにちは!
私は、2015モデルのF3 800を乗っています!
先般、シフターが壊れたので、アグスタからシフターを取り寄せたのですが、現在、2015年以前のモデルの物でも、修理用のパーツが現行モデルのシフターと統一されたようです。
つまり、アップダウン両方向のシフターをアップ側だけ使っている形です。
ひょっとして、ROM書き換えで、ダウン側も使えるかもしれませんね。
人柱になりたいのですが、如何せん、ECU Studioの日本代理店がなく入手が困難です。
入手できるなら、試してみたいと思います。
Killer_YOSHIさんはどのようにしてECU Studioを入手されましたか?
やはり、個人輸入でしょうか?
古川さん
コメントありがとうございます。
結論からお答えしますと、私は個人輸入で購入しました。
ただ2015年モデルであれば純正状態でダウンシフトに対応しているようでしたので、配線の加工を先に実施することをお勧めします。
それでダメだった場合にECU書き換えを行った方が、トータルでのリスクが少ないと思いますので。
ニッチな界隈ですので、ぜひ試して頂き情報共有頂けますと幸いです。
Twitterもやってますので、よろしくお願いします。
初めまして。
私も同じくF3-800に乗っております。
まさしく同じ原因(EX VALVE ERROR)&ブリッパーが欲しくてECU STUDIOにてセットアップを
しておりました。(私も個人輸入です)
ところが最近ブリッパーがうまく動作しなくなり、いろいろと原因を探っていると
アクセルを完全にオフにしたときはシフトダウンができないことがわかりました。
(’シフターの電圧などはアップダウン共に正常に出ておりました)
以前はそんなことはなかったと思うのですが、アクセルを完全にオフにしなければブリッパーは動作することがわかりました。
もし何かご存じでしたらお教えいただければと思い、書き込みさせていただきました。
山本さん
コメントありがとうございます。
年式が不明なので何とも言えない部分はあるのですが、電圧は正常との事ですので要因は他にありそうですね。
以下の事項は既に実施済みでしょうか?
トラブルシューティングの一環として試されては如何でしょう。
1.診断機能でダイアグエラーが無いか確認、あればエラー削除と不具合の処置
2スロットル学習の初期化
3.ECUの再フラッシュ
4.オートブリッパー機能をオフにし、ダウンシフト自体はアクセスオフ時に機能するか確認
5.走行中にシフト電圧にノイズが乗っていないか確認
Twitterの方へご連絡頂ければ多少はレスポンス良く返信出来るかもしれません。
ご返事ありがとうございました。(Twitterは見てるだけしかできないのですみません)
年式は800の初期型となります。このタイプはQuickShifterに5Vを給電しないと動作しないタイプです。
1-3はすでに試してみたのですが変化なしでした。
4,5につきましては、これから確認してみます。ありがとうございます。
何かご報告できることが分かればまた書き込みさせていただきます。
(ECUSTUDIOにも問い合わせしておりますので返事があればお知らせいたします)
シフトペダルそのものも純正に戻してみたり、リバースにしてみたりと試しておりますが、何となくシフトフィールが固い感じがする(UP DOWN共に)のでそのあたりも含めてチェックしてみます。
なるほど、となると私と同じタイプですね。
私も以前、オートブリッパーどころかアップも機能しなくなるトラブルがありましたが、キーオフと配線をちょっと辿る程度に触っただけで復活しました。
メンテナンス程度の気持ちで配線を辿ってみるだけでも、変化があるかも知れないです。
ただ普段からシフトフィールが固いとなると、シフトリンクの影響もありそうですね…。
もし原因が特定出来たら、情報共有頂けますと幸いです。
なにせ、ニッチなバイクで更にニッチな事をしておりますので🤣