なぜ必要か?
私はF3をJ-Trip製のフロントスタンド(JT-116)でリフトアップしている。
J-Tripのフロントスタンドには純正でΦ15/Φ17/Φ19/Φ22/Φ24mmの先端ボスが付属するが、最大のΦ24mmを使用してもF3のステム下穴と径が合わず、ガタガタであるという問題がある。
テープを巻いたりして外径を無理やり拡大してやれば問題も解決できるが、折角なので私は先端ボスをDIYした。
先端ボスDIY
まずは必要となる寸法を確認。
F3のステム下穴径は正確に測れなかったがΦ28.3mmくらい。J-Tripの先端ボス内径は約Φ13mm、高さが26mm。
上記から「外径Φ28mm、内径Φ13mm、高さ26mm」の先端ボスを製作することにした。
①材料調達
材料としてΦ28mmのアルミ円柱をミスミ経由で調達。
モノタロウにも似たような寸法のアルミ円柱があったが、加工公差が±0.5であり最悪F3のステム下穴に入らないので却下した。
②材料取り
購入したアルミ円柱を必要な長さ:26mmに切り出し。
バンドソーでの加工なので楽々切断♪…と思いきや、アルミなので粘っこいのか刃が噛んでしまうことがあった。
加工後はサンドペーパーで面を研磨した。
③センター出し
今回の加工で最大難易度を誇ったセンター出し。
ぶっちゃけセンターが出ていなくても問題はないが、気持ちの問題で頑張った。
旋盤で穴加工する場合は不要だが、今回は設備をお借りしてDIYしているので文句は言えない。
④穴加工Part1
いきなりΦ13mmの穴は空けられないので、下穴を空けて徐々に拡大していく手順となる。
最初はΦ3mmくらいからスタートした。
⑤穴加工Part2
Φ5mm、Φ8mmと徐々にドリル径を大きくし、穴を拡大させていく。
ドリルの刃を交換する度にステージやバイスの位置がズレてしまうので、毎度毎度段取りが大変…。
「段取り八部・加工二分」とはよく言ったものだと痛感。
⑥穴加工完&面取り
必要径のΦ13mmまで加工が完了したら、面取りを実施。
これをしておけば使用時に手を切るといったことも無くなるし、ボスの挿入もスムーズになる。
地味ながら忘れてはいけない工程。
⑦表面処理(サンドブラスト)
この工程は正直不要だが、完成した時の見栄えの為に意味なく実施した。
サンドブラストでの表面処理、見栄えが良くなる…。
これぞ付加価値!
⑧完成!
複数の工程を経て、ついに完成。
狙い通り、J-Tripの先端にもジャストフィット。
純正のボルトではカラーを抑えられなくなってしまうので、適当なワッシャをかませればOK。
これで安定してフロントをリフトアップできる。
こぼれ話
私はDIYでΦ28mmの先端ボスを製作したので材料費800円で済んだが、自分で製作するのが難しい人はJ-TripからスペシャルボスとしてΦ26mmとΦ27.5mmが販売されている。(4,500円+送料)
ぶっちゃけこれらを買えば、安定してあげられる。DIYする意味は、無い…。
因みにアグスタの3気筒であればブルターレやベローチェ(ツーリズモ/スーパー)など全ての車種に適合する。
F4シリーズに関してはステム下に穴がないので、そもそもこのスタンドは使用できないので要注意。